不妊治療で最も大切なこと


不妊治療の最も大切なこと、それは「生命力をアップすること」なのです。
弱った木に肥料や水を与え、太陽の光を浴びさせ、健やかで丈夫な木を育てるのにとても似ています。
今では広く知られるようになった「加齢による卵子の老化」や「精子の劣化」という言葉。
また「不妊原因の30~50%は男性にある」という事実。

しかし、中医学から見ると、原因は卵巣と子宮だけの問題ではなく、ましてや卵子の老化や精子の劣化だけの問題でもありません。十月十日妊娠を維持し、無事出産に至るということは、「有形無形のエネルギー」のいることです。

それは「生命力」と言い換えてもよいでしょう。
不妊治療の最も大切なこと、それは「生命力をアップすること」なのです。

あなたがまだ妊娠に至らない根本原因は、正にここにあり、西洋の不妊治療で成果を出せてない方や男性不妊の方も同様です。加齢・生活スタイル・精神的なストレスなど、いろいろな要因が重なって、体質のバランスが崩れているために「生命力」が不足しているのです。

中医学的に表現すると「体に宿る有形無形の栄養」と「元気、造血力、水の代謝能力」などです。この生命力をアップする治療と生活習慣の改善などによって、赤ちゃんを授かる、また授けることができる体に1日も早く整えていくことが、最も大切なことなのです。

それは、弱った木に肥料や水を与え、太陽の光を浴びさせ、健やかで丈夫な木を育てるのにとても似ています。お天気や季節も考慮して、肥料の種類や量を小まめに調節しながら大切に育てなければなりません。

そして、ある日、天使のような産毛をまとった可愛い実がなるのです。

さて、諸外国に比べると、日本は治療を始める時期が突出して遅く、半数以上の女性たちが35歳を過ぎてから不妊治療クリニックを訪れています。男性不妊についても同様です。

不妊治療はある意味で時間との戦いという面があるため、多くの女性たちが厳しい治療に苦しんでいます。

治療の時期が遅れる理由は個々いろいろあると思いますが、「不妊に関する正しい知識の不足」が大きな原因のひとつになっていることはまちがいありません。その中には、男性不妊についての認識が低いことも含まれています。

シンガポールでは、産婦人科の待合室には多くのカップルの姿が見受けられます。
不妊はカップルの問題で、検査や治療、そして懐妊後の定期健診や出産にパートナーが付き添うのはごく自然なことです。

一方日本では、不妊治療技術の高さとは相反して、不妊は女性の問題という古い常識がまだまだ根強く残っているように感じます。日々の診療でもパートナーの協力が思うように得られない日本女性たちは少なくなく、腹立たしさと同情を禁じえません。

そして、日本国内に「本格的な中医学による医療」という選択枝が極めて乏しいことも、厳しい治療を長引かせることになっている大きな原因のひとつだと私は考えています。