男性不妊(不育症)12タイプ


中医学では、男性不妊(不育症)を特に腎精不足の観点から弁証します。
加えて、脾虚が原因の気血不足、肝鬱や肝経の湿熱などが特に関係すると考えます。
ステップ1とステップ2の問診票を元に、あなたのタイプを見極め、適切なお薬を処方いたします。

中医学では、男性不妊症を「不育症」といいます。

実は中国3000年の歴史の中でも悩まされた人が多く、「無子」(不妊症)に関する古書は161冊にものぼり、その治療法に至っては897通りの処方が残されています。不育症の治療記録は古来より多く、現在でも中国や台湾には漢方の専門不育症外来(男科外来)もあるほどです。

WHO(世界保健機構)の男女別の不妊原因の割合は、男性側に原因があるケースが48%を占めています。日本においても約40%のご夫婦に、男性不妊が関与しているという結果が発表されています。

中医学では、男性不妊(不育症)を特に腎精不足の観点から弁証します。
加えて、脾虚が原因の気血不足、肝鬱や肝経の湿熱などが特に関係すると考えます。

1.腎陽虚証
2. 腎陰虚証
3. 腎精不足証
4. 腎気不固証
5. 脾胃気虚証
6. 脾胃陽虚証
7. 寒湿困脾証
8. 肝血虚証
9. 肝火熾盛証
10. 肝腎陰虚証
11. 肝胆湿熱証
12. 肝郁気滞証

ステップ1とステップ2の問診票を元に、あなたのタイプを見極め、適切なお薬を処方いたします。

男性不妊の原因の90%は「造精機能障害」

精子を造る機能に問題がある状態、つまり精子の劣化を含む質が悪い状態で、おもに次の5つの症で表現されます。

1.精子減少症・・・精液1ml中の精子が1500万匹以下。
2.乏精子症・・・精液1ml中の精子が1000万匹以下。
3.精子無力症・・・精液中で運動する精子が50%未満または、活発な直進運動をする精子が25%未満。
4.精子奇形症・・・奇形の精子が多く、精液中の正常形態精子率が30%以下。
5.非閉塞無精子症・・・精液中に精子が1匹もいない。

残り10%の原因には「精路通過障害」、「精機能障害(ED)」、「精子機能障害」などがあります。

では、なぜ、男性不妊の90%を占める「造精機能障害」に中医学の治療が最も有効なのでしょうか?

それは根本原因が、体のバランスの失調→生命力の低下→質の良い精子が作れない、という流れになっているからです。現代の発達した高度医療においても、現時点では、上記障害に対して有効な西洋薬はにもないに等しいのです。これは、受精卵を子宮内膜に着床し維持する手立てがないのと似ています。

中医学に基づいた治療は、人間を一本の大木と考えます。

弱った木に肥料や水や太陽の光を当て、季節や天候の変化によって、与えるものの種類や量をきめ細やかに調整し、じわじわと生命力の強い木に育てます。その結果として、生命力あふれる元気な精子の数が増えるという考え方です。

現代に生きる男性が心身のバランスを崩す原因は数多くあります。

会社での複雑な人間関係、家族に対する経済的な責任、仕事上のプレッシャー、長時間労働、不規則な生活、将来への不安、通勤に伴うストレス、暴飲暴食、運動不足など数え上げていたらキリがありません。

そして、このような有形無形のストレスは残念ながら避けて通ることができないために、心身への影響も小さくありません。世界的にその傾向があり、その結果、2010年にはWHOで定められた精液検査の基準値も以下のように変わりました。

●精液量 2.0ml以上 → 1.5ml以上
●総精子濃度 1ml中に2000万以上 → 1mlに1500万以上
●総運動量  50%以上 → 40%以上
●正常形態率 15%以上 → 4%以上

中医学に基づく男性不妊治療をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。

歴代中医学の男性不妊(不育)に関する古文献(一部抜粋)

男性歴代不妊の医理を述べ、具体的な症状、治療法、処方及び摂生、妊娠術などが詳しく述べられている。

時代 著者 著書
紀元前11世紀 伯益 「山海経」
引用 意味解説
骨蓉、食之使用無子;黄棘、服之不字」 「骨蓉と黄棘の生薬を服用すると避妊の効果がある」(避妊)
「幼鳥、食之宜子孫; 鹿蜀、佩之宜子孫」 「鳥類を食べ、鹿などの毛皮を着ると子作りに良し」(精力作り)

時代 著者 著書
紀元前3~7世紀 王冰 「黄帝内経」素問・上古天真論
引用 意味解説
「丈夫…二八、腎気盛、天癸至、精気溢瀉、陰陽和、故能有子…八八…天癸尽矣…而無子耳」 腎機能を中心とした男科(男性不妊症)の中医理論があります。腎者主水、腎臓精は人体の体液代謝、泌尿機能および生殖機能が論じられています。「男子は16歳になればホルモンが旺盛になり精力が溢れ、射精可能で女性と交われば妊娠させることができる。64歳になるとホルモン(天癸)が尽きて子作りが出来ない」(古代生理学説)

時代 著者 著書
南北朝
紀元420~581年
褚澄 「褚氏遺書」
引用 意味解説
「合男女必当其年、男難十六而精通必三十而娶女雖十四而天癸至,必二十而嫁皆欲陰陽完實,然后交而孕,孕而育,育而子堅壮強寿」 「男女の結婚適齢は、男三十、女二十が最も良く、その年齢の男女は体力精力が充実して妊娠しやすく元気な子が出来る」(結婚適齢説)

時代 著者 著書
隋朝
紀元610年
巣天方 「諸病源候論」虚労無子候
引用 意味解説
「丈夫無子者、其精清如水、冷如氷鉄、皆為無子候」「泄精、精不射出,但聚于陰頭、亦無子」 「精液が希薄で冷たい場合、漏精や不射精は不妊の症状である」(病理学説)

時代 著者 著書
明朝
紀元1636年
岳甫嘉 「妙一斋医学正印編」十六種 (種子編)
引用 意味解説
「精成于血,不独房室之交,吾之精,凡日用血之事,皆当深戒。」「怒則傷肝,而相火一動,上煽君火,輾転熾盛, 則疏泄者用事…」 男女不妊各一巻に不妊症は男性側にも責任があると指摘、男性が精力を保つためには、過度の性交、怒り、過労、飲酒や過食を慎むべし、とある。

時代 著者 著書
清朝
紀元1860年
傅山 「傅青主男科」
引用 意味解説
陽痿:「陽痿不舉此症乃平日過于削,日瀉其腎中之水,而腎中之火,亦因而消亡,盖水去而火亦去…」
精滑梦遺:「此證人也为虚也。不独病也,心病也,宜心兼治。」
男科14種類の病の中、早漏、夢精、インポテンツなど男性不妊の病症を挙げて、中医学で初めて「男科」について書かれた専門書。本書は内科の雑病証治を主とし、傷寒、火症、鬱結など23門に分け、各門に病証を並べ論じた後、タイプを記している。巻末には雑方、小児科および女科などが記されている。

時代 著者 著書
清朝
紀元1896年
葉天士 「秘本種子金丹」
引用 意味解説
「生人之道,始于求子。而求子之法,不越乎男養精、女養血兩大關鍵。盖陽精瀉而不竭,陰血时下而无愆,陰陽交暢,精血合凝,胚胎結而生育滋矣。」 男性歴代不妊の医理を述べ、具体的な症状、治療法、処方及び摂生、妊娠術などが詳しく述べられている。